自己放棄
捨象ではなく自己放棄・・・そこにヘーゲルの特徴がある。
「和らぎの語というのは「そこ」に存在する精神で・・・したがってこの語は相互に承認しあうことで、そうしてこの承認が絶対的な精神だ」(『精神現象学』岩波版P996)
単純に言えば、差異の反復ではない。
差異の承認でもない。
和解へと・・・主と奴の戦いを超えて・・・常に既に和解へと。
否定的な・・・あるいは差異という要素は常に内包しつつ・・・つまり捨象せず・・・互いに自己放棄(エントオイセルング)しつつ、新しい価値を築いていく。
疎外された「疎外」 その7
たぶん、ヘーゲル研究とかヘーゲル左派的な研究をする人が圧倒的に少なくなったために、こんな話をする人、できる人がいない・・・ということだろう。
というわけで、この話はこれでおしまい。